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ロジカルシンキングのすすめ 3

投稿日:2021年 12月 30日

 ロジカルシンキングの代表的なフレームワークの一つとして、MECEというものがある。

 Mutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体として)、Exhaustive(漏れがない)という四つの言葉の頭文字をとったもので、それぞれの意味を合わせて、もれなく、ダブりなく考えるという手法である。この考え方も、仮説思考と同じく、これからの大学運営・経営においては重要な考え方ではないかと思われる。

 例えば、人間をもれなくダブりなく分けるとしたら、いろいろな分け方が考えられるが、最もシンプルなのは男女に分けるということだろう。携帯電話の開発にあたる場合であれば、男女と分けるだけでもデザインを考えやすくなる。また、男女をそれぞれ年代別に分けるならば、さらにそれぞれに合ったデザイン、機能が考えやすくなるというように、対象をもれなくダブりなく分けることで、適切な対応を考えられるということが、このMECEという考え方のメリットであるといえる。

 この考え方を、大学ではどのように活用できるであろうか。例えば、新入生に対してのサポートを考えるといった場合に、新入生を一つのまとまりとしてとらえるのでなく、新入生を自宅通学の学生と自宅外通学の学生に分けて考えた方が、それぞれの学生にとって適切なサポートが考えられるといった具合である。また、これを時系列に分けて考えることもできる。入学前のサポート、入学直後のサポート、一か月経過した後のサポートといった具合である。このように分けた方が、新入生の状況に合わせたサポートが可能になると思われる。

 MECEを活用する際に留意すべきことは、もともと適切な対応を生み出すためのフレームワークであるから当然のことではあるが、適切に考えられるような分け方をするということである。そしてそれは、その組織の活動内容や対象とする顧客によって異なってくる。例えば、衣料品を扱う組織であれば、春、夏、秋、冬と分けることで適切な対応がしやすくなるであろうが、大学であれば、そのような分け方はあまり意味のないものとなってしまう。

 基本的な視点としては、対象となる顧客等の状況が異なっているかどうか、時間の経過によって異なってくるのかどうかを、分け方の基準とするといいように思う。