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大学の進む道は 3

投稿日:2025年 08月 18日

大学で考えるならば

 コモディティ化から抜け出し、他と差別化を図る方法として、三つの方策を挙げたが、これを大学に当てはめて考えるとどうなるだろうか。一つ目の、機能的価値でなく情緒的価値をアピールするという方法であるが、これについては、すでに行ってきたことといえる。大学の機能的価値は、学生に知識やスキルを教授すること、社会性を涵養すること、社会につないでいくといったことが挙げられる。一方、情緒的価値とは、学校の雰囲気や面倒見の良さといったことになると思われるが、これらについては既に多くの大学等でアピールしていることで、むしろ均一化になっているといえる。

 二つ目のブランディングについては、各大学とも力を入れていることであると思う。○○をめざすなら□□大学といったような、ブランド想起してもらえるような状態をつくることができたならば、コモディティ化から完全に抜け出すことができたといえる。もちろん、このようなブランディングを目指して努力を続けることは大切なことであるが、大学の持てる資源には限りがあることなので、ある領域におけるトップブランドとなることは、簡単にはできないことである。

 三つ目は、顧客視点に立ち、顧客の顕在化しているニーズや、潜在しているニーズを洞察していくという方策である。各大学とも、取り巻く環境が厳しくなる中で、学生等、顧客の顕在化しているニーズに対しては、相当程度に対応してきていると言っていいのではないかと思う。問題は、潜在しているニーズに関しての洞察である。「chocoZAP」は日本のフィットネス人口比率3%以外の97%の層に注目し、その潜在的なニーズを洞察したことで多くの会員を獲得することができたのである。